言いたいことも言えないこんな世の中じゃ

全ての鬱屈した会社員に捧げる魂の叫び

面白い映画の条件

私は映画が好きです。人並みくらいには映画を見てきて、面白い映画の条件がわかってきました。「描写、映像の美しさ」「物語、脚本の出来」「メッセージ性の伝え方」「無駄なシーンのなさ」「斬新な題材、手法の採用」です。

 

・描写、映像の美しさ

映像美がある作品は最初から作品に引き込まれやすいです。例えばアバター。3D映像による映像はものすごく美しかったです。最近でいうと新海誠監督の天気の子も挙げられます。彼の作品はどれも圧倒的に描写が綺麗ですが、天気の子でもその才能はいかんなく発揮されていました。まるで雨粒ひとつひとつが主張しているかのように輝くあの絵を描くことが出来る監督は新海誠監督しかいないのではないかと思います。

映画「アバター」オフィシャルサイト

映画『天気の子』公式サイト

 

・物語、脚本の出来

物語がスッと入ってくるようにする論理性と、物語を揺れ動かす起承転結さ、両方をバランス良く併せ持たないとよい物語になりません。論理的すぎる作品は見ていて非常に腑に落ちやすいですが退屈になります。物語の展開がありすぎると、何がなんだかわからなくなります。脚本家さんって難しいんでしょうね。駄作の原因の大半は脚本です。

脚本が悪かった作品として、未来のミライを挙げたいと思います。キャラクターはよくできているのに、各章ごと話がぶつ切りオムニバス形式になっており、さらに起きていることの説明が不足しています。ちぐはぐで事象の羅列である印象を受けました。

「未来のミライ」公式サイト

 

・メッセージ性の伝え方

映画が見終わった後も自分の中に残るかどうか、これからの自分に影響していくかってメッセージ性によるんだと思います。映画全体を覚えられるわけないから、残ったメッセージ性が明日の糧になります。メッセージ性がない映画も完全娯楽映画として悪くないのですが、名作にはなりにくいです。逆にメッセージ性が全面すぎると説教臭い印象になります。

ディズニー映画のズートピアは非常に有名な作品だと思うんですけれども、すごいところが子供向けに見えながら、アメリカ社会の黒人白人の関係性らしきものを描いているところです。ざっくり言うと 肉食動物と黒人、草食動物を白人に当てはめた時に非常にすっきりと、アメリカ社会の歪さ、闇が見えてきます。肉食動物は体格も良く筋肉もあり恐れられているが、実際は犯罪者予備軍のように見られている。

ズートピア|ブルーレイ・DVD・デジタル配信|ディズニー公式

 

・無駄なシーンのなさ

映画って2時間程度しかないので、無駄なシーンや登場人物によって急に集中が途切れることになります。描くことがギュッと詰まっているかどうかは重要な要素です。

私の好きな映画の1つに平成ガメラがありますが、ガメラ3邪神覚醒は残念ながら無駄なシーンがあり、1や2と比べると劣っている印象があります。映像も美しくて物語も大半は非常にいいんですが、登場人物のなかに小難しいことを言う2人がいて、彼らがいない方がすっきりとした作品にできたでしょう。

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・斬新な題材、手法の採用

今まで誰も扱ったことがないテーマを扱うというのは勇気のいる事であり、また初めての手法というのは映画の発展に必須でしょう。価値があることだと思うんです。

好きな作品にシコふんじゃったという映画があります。これ何がすごいかと言うと、相撲を映画の題材にしたことです。多分上映当時、相撲を興味がある人はお年寄りばかりで、若者で興味がある人はほとんどいなかったでしょう。それでも各所に工夫を凝らし、伝統を残しながらも面白さを入れ、作品として十分に成立しています。

シコふんじゃった。 : 角川映画